知識の本棚

読みかけの本でも読んだ本でも読むつもりの本でも、とにかく本棚に仕舞うように調べたことを書き溜める。

「経済効果」の計算方法

経済波及効果

経済効果とは、正式(?)には経済波及効果といって、ざっくり説明すると
「新たな需要が生まれることによって発生する売上高の合計」

例えば、自動車の新しい技術が開発されることによって得られる経済効果は?

新技術によって車の売り上げが100万台増えると予想するとする。
ここで、単純に100万台分の売り上げがある。
その他にも、タイヤ産業や鉄鋼業にも新たな需要が生まれることになる。
そしてタイヤや鉄鋼のための原材料分もまた新たな需要となる。
これらを予想して合計したものが経済効果となる。

直接効果と波及効果

ここで重要になる概念が直接効果と波及効果という言葉。
単純に車の100万台分は直接的な増分なので直接効果という。
次に車の増産によって生まれる新たな需要による効果を波及効果という。
タイヤや鉄鋼などの1次的な波及を第1次波及効果、原材料のような2次的な効果を第2次波及効果という。

波及効果の影響をどうやって計算するか?

直接効果についてはアンケートを取ったり過去の数字を参照したり色々な試算方法があるが、
波及効果についてはどのように計算するのだろうか?
実は産業連関表と言って、この分野の生産をするにはこれだけの波及効果があるという表があらかじめ用意されている。(参考資料参照)
これを使うことによって機械的に計算できるので、波及効果を試算したりする手間が省ける。
日本国内で言うと総務省で5年に1度のペースで更新されている。

経済効果が分かってなにが嬉しい?

どの産業でどれだけ新たな雇用が生まれるかを概算できる など

いくつかの決定的な仮定

当然、いくつかの仮定があるので正確な計算にはならない。

  1. 需要の増加によって生産が線形に増加する(実際は在庫、生産能力の限界、国外への委託*1などで線形に比例するとは限らない)
  2. 生産量の増加によって雇用者も線形に増加する(残業を増やして対応する、機械化により生産と雇用は比例しない、など必ずしも生産量の増加によって雇用が増えるとは限らない)

*1:自給率は定数で計算する